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Rの個人研究・考察を行うブログ。最近は因果推論とアナリティクス(機械学習、統計はお休み中)、認知論にお熱。

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データ分析コンサルティング企業で学んだプロジェクトマネージャーの方法論(2)

投稿日:2021年11月21日 更新日:

昨今注目されているデータ分析。
データサイエンティストはすげー給与良いやんと言われ、なんだかなあと思っているれいです。意外とそんなことはない。

データ分析企業では今日も何もなくプロジェクトを進めています。

分析プロジェクトはシステム開発のプロジェクトに比べ、分析結果によってはその後の進め方が容易に変わり、プロジェクトマネージャーが上手くコントロールしないと炎上しやすい性質があります。
ただ、プロジェクトの方法論を学んだ後では、手掛けたプロジェクトは1件も炎上していません。
※炎上とは、スケジュール内で案件が完了せず人を追加してもどうにもならず、、という一般的なイメージです。

では、何を心がければ炎上しにくいのでしょうか。

お話の前提

・「未経験者を採用して鍛える」会社です
・「要件定義~分析方針決定~分析~納品まで一人称でできる人?なかなか居ないよ」な会社です
・「プロジェクトマネージャー?現場で頑張って覚えてね」な会社です
むしろ、この前提であるからこそ、他の会社でも応用可能な話になっている気がする。
つまり、潤沢な資金でスキルがある良い人を採用できる企業には当てはまりません。

プロジェクトマネージャーがすべきこと

前回の論点は社内向けだったので、社外向けも含めて書いていきます。

1. 顧客企業ごとにアカウントマネージャーを作る
2. メンバーを知ることに時間を掛ける
3. メンバーを得意なところに集中させる

前回は、いかにメンバーを生かすかを重視していました。
今回は、プロジェクトを期待値以上に成功させ、いかにお客様の案件継続意欲を引き出すかを重視しました。

*前回分
1・決めることを決める。放置しない。
2・心理的安全性を確保する
3・自分の手を動かすのは最終手段
4・自己学習時間を取ろう

1. 顧客企業ごとにアカウントマネージャーを作る

お客様、および案件のことを良く知り、各プロジェクトメンバーに対し適切な粒度感で情報を与えることができる人をアカウントマネージャーにします。
むしろ作っていない方が異常なのでは?と思われる役割ですが、ウチにはありませんでした。
(最近方針転換をし、割り振られるようになりましたとさ。)

データ分析をはじめとしたプロジェクトは、ドメイン知識や以前の案件の内容がとても重要視されます。
お客様はこちらのメンバーが全て知っていて当たり前と思っている内容ですから。
それを情報なし(または報告書だけ等)で引継ぎするのは困難です。(そもそも引継ぎルールもイマイチだったので仕方ないね)

経験上、未経験分野のドメイン知識のインプットが一番コストが高いんですよね…。

集計・基礎分析 → わかる!
KPI設計 → わかる!
機械学習 → わかる!

(例)製薬企業と国の関係の知識 → だいたいの人は知らないし、内容を見てもめちゃくちゃ複雑。
(厚労省と農水省の管轄分野が違うとか知らんがな、みたいな)

そこをプロジェクト開始後に教科書や新聞でインプットすることになると相当ツライです。
もしアカウントマネージャーが存在しない場合は・・・というと、次の人への受け渡しを簡単にするために、案件終了前にはまとめ資料を作ります。(ルールはない)
そうすることで、業界知識や分析前提をある程度理解した状態で始められるのは本当にツヨイ…。

もし、前知識があれば、、
プロジェクト開始時点で、何も工夫をしていないプロジェクトと比べて何歩もリードした状態を作れるわけです。
当たり前の結果として、プロジェクトが成功する確率は上がりますよね。

2. メンバーを知ることに時間を掛ける

この論点は、メンバーのアサイン検討段階以前から始めておいた方がよいでしょう。
こちらは次のメンバーの得意な所に集中させるにもつながります。

こちらを重視するのは、スキルセットも違う、興味もない、なんかよく分からん案件にアサインされたクソゲー→辞める(病める)を防ぐためです。
メンバーが途中で離脱すると高確率で案件が燃えます。
なぜなら、まだ内容はよく分からないけど、何となく引継ぎして・・・はいバイバイのようなことになりやすく、それを受けた人はほぼ間違いなくツライです。
新参者になっても、お客さんの期待値は下がることはないので。

まず作るべきは、メンバーごとのスキルリスト、ポートフォリオのようなものです。
(ウチには形骸化したものしかありませんでした。ただ最近、ちゃんと作るようになりました。)
そのためには、チームマネージャーがメンバーのスキルと志向を良く把握しておくことが必要になります。

スキルと志向の把握およびプロジェクトが上手くいっているチームは、メンバーとの会話(オンライン・オフライン)が非常に多いです。
私たちの場合、特にオンラインのテキトーな1on1はほぼ毎日しますし、解決できない疑問点があれば納得できるまで時間を取ります。

なぜなら、文章で正しく意思疎通をするには、前提を合わせる必要があるので、文字だけだとどうしても難しい・・・という話になります。
転職者がほとんどで、単語の意味すら違う可能性があるので。もちろん日本語です。

なぜメンバーとの会話をよくするかというと、
・そもそもよく知らない人にやりたいことを話さない
・やりたくないことを話して干されたくない

このマイナスの気持ちの払しょくという、人間の心理としては当たり前なルールで動いています。これは前回の心理的安全性を確保するに通じますね。
ここまでで、アサイン検討段階での燃える原因は防ぐことができます。

続いて、案件中にもメンバーを知る時間を取りましょう。
よく聞くのは忙しいから時間を掛けてられないよではなくて、メンバーが腹落ちした状態で仕事を進めることができるための時間を使えば、後で自分も楽になるという発想の転換が必要です。投資と同じですね。
*その分、案件開始時は時間が無くなります。普通のプロジェクトは案件終了時にキツくなるようですが。

内容を理解できず、ミスが積み重なるから案件が燃えるのであって、ミスなく仕事が進められたものの、速度が遅くて案件が燃えることは基本ありません。
そんな人は継続して案件にアサインされないし、採用も(ほとんど)されないのでOKです(現実は厳しい)
そのように、燃そうな芽すら摘み取れる状況を作っておくために、色々準備が必要ですね。

そうすることで、遅延なく(お客様の心配の種もなく)、いつもより高いパフォーマンスで納品ができると。

3. メンバーを得意なところに集中させる

案件を獲得してくるような、シニアコンサルタント(他企業で言うパートナー・シニアマネージャー他)には総合力が必要です。
ただし、アナリスト(駆け出し分析官)はそこまで求めても難しいので、得意な所に注力させたいですね。

そこで注意すべきは、(なぜかよく分からないのですが、)不得意な所を指摘して直させるように動く人が多いんですよね。
不得意な所を気を付けることはできると思います。
ただ、今指摘してすぐに直るんやったら、十年以上生きててなんで直らんねーんということですね。
指摘は工数の無駄です。苦手な所を共有してもらうならいいんですが・・・。
なぜ、金太郎飴を作ろうとするのか。僕にはよく分かりません。

得意・不得意を把握するために話もしておく、理解されている、不得意なことをしないのであまりストレスもたまらない → 辞めない
得意な所は他の人よりスピード・品質共に高い → イイネ
足りないところは? → 他のメンバーがおるじゃろ

以上のことを考え、品質をいかに高め、継続意欲に訴求する材料を作るかを考えた時に上記3点は非常に効果的です。

話は変わりますが、人材育成やプロジェクト品質の評価は非常に難しく、何となくの感想や思い込みで決まることもままあるのではないか?と考えています。

人材育成に関しても、重要だと言われている割には各論のKPIは論じられることがありません。
それらに関連して、業務の効率化といって適当に仕事を進める(進めているように見せる)こと外に仕事をリリースしているだけみたいな、それを担っている企業・担当者には謎の作業だけが押し付けられることがままあります。
私は、何となく案件を上手くいっているように見せて、担当者個々人の能力の伸びを阻害していることは社会にとって損失だと考えています。

良い文があったので載せておきます。

こうして短期志向の、しかも金銭的インセンティブに敏感に反応する労働力を用いることで、とりあえずの問題解決は達成されるはずである。しかし、これは個々の企業が行う「短期的な対処法」であって、社会全体としては何も問題の解決になっていないという点に注意が必要である。実際には多くの企業が、社内の人材に対して「つまらない仕事」を押し付けることができず、後腐れのない短期雇用の人間に「つまらない仕事」を任せたり、下請け会社にアウトソースしたりする。こうして社内の融和は保たれるが、世の中には、通常の仕事よりも若干時給が高めに見えるアルバイト&フリーター向けの仕事が作り出されることになる。
若い時期に学習余地の少ない仕事を短期で渡り歩く人々が多数出現する社会が長期的にも本当に豊かな社会として維持できるのか否か、よく考えないとならないだろう。
(組織デザイン 沼上幹)

上記、2004年に書かれた本の内容にしては先見の明があるというか・・・派遣法改正による派遣労働者の増加をはじめ、実態は派遣である高単価に見えるフリーランス希望者の増加も、日本が弱くなる由々しき問題かと思います。

将来の利益を食って、「今は大丈夫」・・・そして「いい人が居ない」「人材不足だ!」へ。当然ですね。
そこ辺りを解決する方法がないかなーと思ってます。

続いて、最近の案件内容をつらつらと書いていきます。

最近の案件(2021.4~2021.11)

PoC倒れにならず、ほぼ継続が取れている。
むしろ追加発注があって、仕事できる人が足りずに大いに困っている。ワイも現場に駆り出されているレベル。

船舶AIPoC(続き)

プロジェクトから外れていましたが、途中経過で対外発表をできる成果がでました。やったぜ。完全に、有能データサイエンティストの個人プレイ&成功だったので感謝してます。

その分、人材育成は難しいな…ということを実感してます。
機器の異常検知は難しいワヨ

アーケードゲーム分析

人気アーケードゲーム分析をPM。
意外とMAU(月のUU数)が居た。MAUはソシャゲ中堅レベルだけど、1プレイ=売上なのが強いな・・・という売り上げ規模。
コロナでめっちゃ売上落ちてたのが辛そうだった。

お客様には課題感は複数あるものの、個別に定量化できていなかったのでとても助かっていた様子。
ROIが見込めると優先順位も付けられる。価値のある分析となりました。

アナリストさん・ワイは別々であるものの、実地調査を行ってユーザー体験の確認を行っていたことも非常に効果的だった様子。
* 当たり前ですが、現地調査は自分自身で行います。調査が無ければ現場感のある結果・提案にならないので。ただ、案件ごとに毎度現地調査している人は多くなさそうではある…

高額家電広告効果検証

結論、ある高額家電の顧客は広告で認知して、欲しいなあと思って公式サイトを眺め、季節性のある時期は(お金がないのか?購買タイミングでないと思っているのか?)無視して(お金がある)ボーナスの時に買う。ということが示されてしまった検証。

蚊取り線香みたいに商品に季節性があるのに、欲しいその時には買わないんやな・・・ワイなら即購入しそうやという感想でした。
お客さんの中ではインテリアや他の高級家具と同じ扱いになってそう。

コンシューマーゲーム広告効果検証

必要な広告と不要な広告の優先順位を決めよう

できた

お客様:効果の定量化できる?

担当者:どうしたらええんですか
ワイ:この手法じゃ無理というか、できたらだれも苦労しないよ。そう考えて、こういう方針はどう?
担当者:解決策考えてきたで
ワイ:ありがとう。指摘点はごく少数だからそこを直したらOK。あとはお客さん調整してクレメンス・・・

お客様:やっぱそうっすよねー
担当者:よかったセーフ(今ココ)

小売り新規出店売上予測

途中からアナリストで入った案件。
結果、会社の提案資料の事例になった。やったぜ。
・・・とはいえお客様には採用されなかったことが悔やまれる。色々遅すぎた。
新米アナリストさんに評価指標等々の要件定義を全て任せられる訳ないやろ・・・(‘A`)とはいえこれは組織の問題なので個人起因ではないのである。仕事は間違いなくしやすかった。

顧客企業からの出向者のデータ分析研修(ゲーム)

継続していただいている案件の顧客企業から、担当者さんが3か月教育研修を受けにいらっしゃいました。その研修の主担当してました。楽しかったです。
教育に力を入れていたら、基本的な内容については教えられることは終わった。やっぱり、ゲーム業界のプロデューサーをはじめとした勤続10年近くの業務経験者は強いや・・・。

研修後、社内からは手強い質問をするお客様(教育研修受講者)が増えたので、資料のレベル感を常に上げざるを得ず、ちょっと困ったとの言葉も。
良いことなのか悪いことなのか。

製薬企業 データ分析部門メンバーの機械学習内製化研修

こちらでも教育担当になりました。新卒メンバーも含めてでなかなか難しかった・・・。新卒の方がコミュニケーションを自発的に取れるようになったのがGoodポイント。

ついでに、社内に知見をインプットする資料を作っておいた。なぜなら、以前からの知見はあるがまとめた資料が残っていなかったので。
今後は他業界の教育研修案件に対しても割と楽になるはず。今立ち上げ期の組織が多いから、かなり需要がありそうなんだよなコレ・・・

個人的には、医療系データのデータ抽出が大変すぎてびっくりした。
テーブルデータをたった1つ作るのに、SQLを20種類も使わないと出せないのは正直しんどい。
詳細要件の定義も製薬企業の熟練者に全然追いつけん・・・うぐぐ(悲しい)。

最近の提案(2021.4~2021.11)

最近営業の提案書を作成するようになった。
最終的な成約率は割と高い(と思っている)が、初期の要件整理(自分は担当ではない)があやふやで「ん?」となることが多いのでそこをどうにかしたい。

ただ、申し訳ないですが、守秘義務があるのでタイトルだけの開示です。
ホント業界・内容が色々あるし、要件が上手く整理されていないことが多いので、上手く整理して要件にまとめられることに価値があるのは間違いない。
お客様の期待値をいかにコントロールするかが重要でしたとさ。

DX方針策定のための情報共有・提案

データ分析文化浸透のための方法論提案

金融不正検知分析提案

業務最適化のための強化学習PoC提案

船舶移動日数予測分析提案

BtoBイベントスペースサイト分析提案

小売り新商品注文率予測等提案

製薬企業 分析部門アウトソーシングに対する提案

ちょっと困ることとしては、提案書に書かれていないことに営業さん自ら言及して、お客さんの期待値を上げないで欲しい・・・

まとめ

今回は、社外向けの品質担保について書いていきました。
プロジェクトは一過性のものですが、気を付けるべき論点を整理していれば炎上は防げると思ってます。

なかなか・・・思い通りに行かないことが多いですが、少しずつ進められるといいですね♪

自分自身の課題としては、下記ですかね。
・案件内容への価値の訴求が弱い。
 数値、理論、現場のつらみを示せばだいたい通ると思ってるのが不味い。
 重要視していることを雰囲気から読み取ること、難しい。
・「俺は分かっていると思っている、実は正しくないと考えられる案を持っている人」を説得することが難しい。
 特に強権的な人は難しい。社内でもそう。
 コミュニケーション能力の欠如?そうかもね。
・調整能力
 社内の合意形成、根回しにそんなに時間かける必要あるか~?と思うけど、それが当たり前のようだ。ウムム。

まとめると、説得力が足りない常識とのズレを感じるかな。

まえ

データ分析コンサルティング企業で学んだプロジェクトマネージャーの方法論(1)

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