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Rの個人研究・考察を行うブログ。最近は因果推論とアナリティクス(機械学習、統計はお休み中)、認知論にお熱。

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コンサルティング・AI技術のおすすめ書籍(2021年締め版)

投稿日:

2021年があと1日です。
今年は続くコロナ禍で、強制的なライフシフトが日本全体で起こっていたかと思います。

私は、続くリモートワーク、他チームで静かに炎上する案件、担当領域の変更(DSリーダー → DS技術アドバイス・営業・案件遂行)、組織デザインの大幅改変、AI技術の速すぎる進展と色々とありました。

それらの課題をどう解くか。経験はない、周りに聞いても知らない・わからない、では本だよなということで。

さて、今回は1分野につき1冊のみおすすめ書籍を厳選しました。ではどうぞ。

目次

  1. 問題設定
  2. 組織デザイン
  3. プレゼンテーション
  4. 機械学習プログラミング
  5. AIのテスト
  6. XAI(説明可能なAI)
  7. SaaS
  8. その他

問題設定

イシューから始めよ 安宅和人

言わずと知れた名著です。ただ、今回初めて仕事で使いました。

なぜなら、仕事で「こんな感じでこの問題を解決できないかな?後よろしく~」という雑な営業の振りに対応していたからだ。

「えっ、そんな内容知らんけど・・・」あなた周りに助けてくれる人は、いない。
ゴールは、あと3営業日で20ページ以内の営業提案資料を作る。もちろん自分の仕事は別に持ってるよ。

みたいな、時間も知識もない中で、お客さんに納得して契約できるような資料を作る必要があった。

そこで活躍したのが本書である。
必要最低限の時間でより良いアウトプットを求めるなら、犬の道、つまり努力量で何とかするに入ってはならない。
課題と問題は違うし、課題をある程度特定しなければ提案など何もできない。

ちなみに、そんな無茶ぶりをされながらも残業は月10h程度だったし、営業結果はコンペになってもほぼ勝てたようである。
営業さんのトークスキルがピカ一なこともあるが、この本の威力はすさまじかった。

組織デザイン

組織デザイン 沼上幹

自社はデータサイエンス系組織であり、1年前から人数40%像と急拡大している。そうすると、組織デザインに無理が出てくる。

そのため、新たに就任したマネージャーさんと一緒に組織を考える中で、組織デザインを考える必要があった。

ワイ、全く知らんねんけど…ということで本書を購入した。この本を紹介してくれていた(と記憶している)kazuさん、ありがとうございました。

組織は分業の形態であり、分業の基本形はどのようにあるか。
「知らん」・・・せやな。

具体的には、データサイエンス部門の組織形態、あるべき姿を考えるで記事を書いたので参照されたい。

プレゼンテーション

プレゼン資料のデザイン図鑑 前田鎌利

技術的に正しくても、担当者に伝わらなければ意味がないということで購入。

コピーするだけで分かりやすくなるやん!!という効果あり。
基本の型が分かるので、構成を考える(≒悩む)時間も少なくなり、作業速度も速くなった。ツヨイ。

多くの会社ではプレゼンテーションのフォーマットが決まっていると思う。本書の一部は使えないが、購入してマイナスはないと思われる。

機械学習プログラミング

Python機械学習プログラミング(第3版) Sehastian Raschka, Vahid Mirjalili

機械学習の入門書を1冊読んだあとに読む、Pythonコーディング、機械学習のアルゴリズムの中身まで理解できる良書。
基本、とりあえずコードを書いて実行させる書籍が多い中、説明が非常にきれいにまとまっている。

しかも、機械学習のうち、対応している内容が非常に広範囲である。(その分分厚い)
モデル作成(回帰・分類)、前処理、次元削減、ハイパーパラメータチューニング、アンサンブル学習、感情分析、Webアプリケーション(Flask)、クラスタ分析、ニューラルネットワーク、深層学習(Tensorflow)、リカレントニューラルネットワーク、敵対的生成ネットワーク(GAN)、強化学習

・・・多くね?
はい、コードを書くのだけで2週間はかかる気がするゾイ…。

第2版ではなく、第3版を購入したい。

AIのテスト

AIソフトウェアのテスト 佐藤ら

現在はPoC倒れのAIプロジェクトが多いのであまり気にされていないが、今後必要となってくるであろうAIテストの良書。

何と内容は非常に具体的である。
メタモルフィックテスティング、ニューロンカバレッジテスティング、最大安全半径、網羅検証

・・・最後以外聞いたことねえ単語ですね。。
よく読んでみると、今後何をテストすべきかわかる気がする。いつ必要になるかはわからないが。

XAI(説明可能なAI)

機械学習を解釈する技術 森下光之助

機械学習モデルが何をしているのか問われることが多くなってきた。現場で使うためには、何故このAIがこの判断に至ったか、担当者と関係者が腹落ちしなければOKが出ない。

その時、利用する技術がXAIだ。
本書で、解釈性の定義から、特徴量の重要度の算出(PFI)、特徴量と予測値の関係性を知る(PD)、サンプルごとの異質性を見る(ICE)、予測の理由を考慮する(SHAP)を行っていこう。

XAIは理由の説明だけではなく、予測モデルのデバッグにも使えるのでおすすめである。モデルに採用された特徴量がドメイン知識と一致しているかどうかを確認する。もし一致していないのであれば、SHAPを使い、他のどんな特徴量が採用されているかを確認する等、利用用途は多い。

SaaS

ザ・モデル 福田康隆

オラクル・セールスフォースの現場、マルケトを立ち上げた経験を持つ著者が記載した本。

私の所属する会社、コンサルティング会社はフロービジネスである。人が動かないと利益が上がらない。労働集約的になりやすく、経営者をはじめ単純につらくなってくるときがある。そのため、SaaSを提供している。ただ、各藩が上手くいかないのでどうすべきかということを考えるために購入した本。その他に、自作サービスとしてSaaSのようなものを考案したが、そちらでも役に立ちつつある。

その他

WHAT IS LIFE? ポール・ナース

ノーベル生理学・医学賞を受賞した細胞生物学者が書いた哲学的な本。具体的な生物学の知識をベースに、哲学的な話まで展開している良書。

2010年代に遺伝子工学的な研究をしていた際、利用していた実験手法がまさか…という懐かしい記憶を取り戻した。
意外と具体的な生物知識が記載されているので、教養書としてもおすすめ。

さいごに

今年は勉強時間より、作業時間がかなり必要になったので紹介は少なめになりました。
来年はもう少し勉強時間が欲しい・・・。

来年もよろしくお願いいたします。

過去の書籍紹介:
2021年おすすめ書籍11選と書評
コンサルへの転職1年半で読んだ本90冊とその書評

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