Rの考え方

Rの個人研究・考察を行うブログ。最近は因果推論とアナリティクス(機械学習、統計はお休み中)、認知論にお熱。

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「生きるのが息苦しい」と感じることが多い問題について

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「何か息苦しい~」って感じる人多いのも理解できるんよな・・・。理由は色々考えられますね。

私が考える代表的なものとしては、
1・競争社会であること
2・安定(≒停滞)社会であること
3・自由な社会であること

詳細をつらつらと書いていこう。

よくある分析では、
「給料が少ないから」
「相対的に貧困が多くなっているから」
とか、物質的な側面で分析されることが多いんやがおかしいよな?と思ってます。

昔と比べて、衣食住だけでもめっちゃ贅沢なことしてんねんで・・・?と。
まあヒトは「環境に順応するのが早い」らしいから、当たり前のしきい値が常に上がっていくし、
「物質的な向上によって幸せを感じるのは短い時間」なので、物質的に満たされてもすぐアカンようになるからなあ。

お金があれば解決する面も大きいのは間違いないけども、その分析の前提は「周りの状況が変わらない上で」。
つまり、社会構造からみるとちょっとリッチ、いわゆる総中流的な雰囲気が一番多くの人が幸せになれるでしょう。

ただ、後述する内容があるので、その雰囲気がどんどん壊されていったのが問題化もしれない。

1・競争社会であること
どこにでも競争があること。
小学校~大学→会社や、プライベートにもスマホアプリという形で様々なコンテンツが競争下にある。
弱者であることを競い合う競争すらある。

世の中の潮流の、スキルアップや転職、副業、果ては今でいうAI、環境の全てで競争を意識しやすいようになっている。
かといって競争したところで得られるものはそれほど多くないし、向いていない所で少し頑張ったところで無意味になりやすい。
時間やお金をかけても、出てくるのは・・・。
そして、うまく行っている人をSNSで常に見続けていることから、自分を無能だと思ってしまう。

そりゃツライ。何もしたくなくなる。

加えて、その社会で使われる指標もそう。GDPとかね。

日本に住む多くの人が大事にする「丁寧な接客やきめ細かいサービス」は無料なので、GDPに直せば0。
逆に、チップ文化になればサービスは有償で、GDPにはプラスになる。

海外と日本の旅行ではどちらの方が快適だろうか。それは、GDPに反映されるのだろうか。

2・安定(≒停滞)社会であること
ヒトは予測が好きである。
「将来がある程度見越せる」と思いこむことができる環境、かつ国が停滞しているように数値上は見えるので、希望的観測がしづらい状況にある。
数値は簡単に嘘をつくのに。嘘つきは数値を使う、か。

あとは悲観的になりやすく、「○○は悲観的である」と思う方がデフォルトなので、そちらに思考が引っ張られる。
ヒトは見たいものしか見ないし。

前述の競争社会も相まって、自分が何をしても変わらないと思ってしまう。だから、消費もしないし、冒険しない。
無気力になっていく。中国の寝そべり族とかもそうかな。

社会のルールが固定化されつつあり、
多くの時間を寝そべっていてもある程度生活できるし、そんなに頑張る必要ないよね・・・となる。
FIRE(経済的自立&早期リタイア)を目指すのもそう。そんなに頑張っても報われないし。後述の通り、お一人様や最低限の人数で暮らしていけるし。

ちょっと遠い将来(10年先~)が見えないくらいの方がちょうどいいかもしれない。

3・自由な社会であること
昔は「大家族で一緒に暮らさねばならなかった」が、ヒトが幸せと感じる度合いに重要な「人とのつながり」は強制的に担保されていた。
今はそれはない。お一人様をはじめ、むしろ一人で暮らす方が良いと思われている節さえある。

それは会社もそう。
会社は、社会人において「人とのつながり」の多くを占める。ただ、転職や副業が当たり前になることによって、それが解体されやすくなる。
全ての時間が可処分になる。選択できるように思える。重要ではない人との付き合いはしなくてもよい。その「重要ではない人」にとっては、その時間はとても楽しいもの、1つの幸せなのかもしれないが無視できる。

プライベートもそう。結婚するのが当たり前、付き合うのが当たり前な世界は窮屈だった。
今は・・・一人でいるのも自由。付き合うのも自由。
付き合う場合は、自分に良さそうな人が無数にいるように見えるし、”もっと良い人”が見えてしまう。ヒトは社会的な動物なので、”もっと良い人”が見えるとどうしてもそっちに惹かれるらしい。本能のようだ。

強制力のあったお見合いは廃れ、互いに比較され、競争が繰り返される。

つながるのも難しく、つながり続けるも難しい。

それらが起こるのは、結局「お一人様、バラバラにした方がビジネスとして美味しいから」だろう。

例えば基本の衣食住、
衣はダメになったらすぐ買える。自分の好きなスタイルで。
食は誰も気にせず、いつでも、どこでも、すぐに買える。
住は人とのつながりが薄いこともあり、すぐに変えることができる。

それは全てビジネスチャンスになる。

対して、誰かのための労働、家庭内の家事や育児、介護も家族にすれば無償。他人にすれば有償。
つまりGDPがプラスになる。成長する。

ただ、人とのつながりは最低限、極小になっていく。
そしてSNSに瞬間的なつながりを求めにいく。

ヒトが幸せと感じることを分解して、今日もせっせと仕事をして、お金を稼ぐ。そりゃ・・・苦しくなっていくでしょう。

考察おわり

———————————————————
以下はれい個人の分析です。
各項目についてコメントする形式で行きます。

個人の置かれた立場としては、そんなに息苦しいか?と思っています。
ただ、運よく置かれた立場を変えれたからこうなっているだけで、以前は何事にも無力感を感じることがあり、その時はつらかったです。

1. 「給料が少ないから」「相対的に貧困が多くなっているから」
個人的には今はそんなことはない。
実家が太いか、家族仲は良いかどうかはぶっちゃけ運ゲーですよね。
家族仲としては、トップクラスにいいと思います。
強いつながりというか、「色々失敗してダメになっても家に帰ればええかー」感がとてもつよい。ありがたい。

2. 昔と比べて、衣食住だけでもめっちゃ贅沢なことしてんねんで・・・?と。
アホ舌なので、なんでも基本おいしい。
衣と住もこだわりがないので、不満を持つ点がほぼない。そもそも不満になる視点がない。
毎日同じ服を着ててもいいし、着てなくてもいい。どんな向きでも気にしない。それで、誰にどう見られようがどうでもいい(どうにもならない)と思っている。
寒いのと暑いのだけは勘弁。
ご飯はたまに食べ忘れることがあるくらい無頓着。

3. 小学校~大学→会社や、プライベートにもスマホアプリという形で様々なコンテンツが競争下にある。
高校までは「とりあえず近いところ」に行った。
大学は「○○の研究がしたいから、ここ以外行きたくない」で決めた。偏差値で言うともっと良いところがあったらしいが細かくは覚えていない。
そもそも競争してトップになる云々に興味がない。競争はゲームだけで十分だし、ゲームは十分やり切った感あるし・・・。

4. 弱者であることを競い合う競争すらある。
助成金とかそういうので戦ったことはない。
お金を払うのはいいが、援助を受けるようなことはしたくない。

5. 世の中の潮流の、スキルアップや転職、副業、果ては今でいうAI、環境の全てで競争を意識しやすいようになっている。
確かにそれはあると思う。転職2回してるし。
AI開発はおおよそヒトの代替をしようとしているものが多い。この仕事を始めてから、ヒトって結構安くて、何でもできるし、教えることもできる!便利!感がある。

競争を感じた流れは以下の通り。
大学の専門(遺伝子工学、行動解析、実験動物技術)で新卒就職した。

仕事をしてみると、獣医や薬剤師の方々と戦わないといけないことが分かった。

彼らと土台の能力や資格のハロー効果で戦うのは無理ゲーだし、土日も勝手に勉強するやべえ奴が多くて成長速度で勝てる気もしない。
毎日やるほどそないに生物系好きちゃうのかもしれんな…。行動・動体解析はいつでもやってるが。。

うーんワイも楽してトップに居たいぞ。

せや!中学からやってるプログラミングと、シミュレーション(数値解析)や実験が好きかつ経験があるが一番強そうやな。
そういうのの集大成のような謎のゲーム名将と呼ばれた者達(高校野球シミュレーションゲーム:自作物理エンジンを搭載している)も作ったし。何なら今も作ってるし。強いられてるレベルで土日もやってるし。
そいで、ビジネスにも興味があるよなあ。

コンサル寄りデータサイエンティストにすっか。
AI?機械学習?なんぞ?

おっ毎日しててもやっぱ辛くないぞ~

今に至る。
複数の技術分野で会社のトップクラスにいるらしい(他者評価)。オタク趣味と同じなんやが・・・それがたまたま仕事なだけで。
ただ、今の総合コンサル会社はコミュニケーション強い人が多くて、それが当たり前に求められる環境でつらい。

目標を持ってやってるというより、好きなことを勝手にやってたら勝手に評価されてる感じ。
受験勉強的にやることはほとんどない。資格勉強も嫌い。

受験勉強って社会の、個人のリソースの無駄遣いだよな・・・と。
なんも生産しないのに、誰かが決めた優秀さを競う競争に勝ってどうするの?と。誰かが決めたいい会社、いい人生とか興味ないし。

6. そして、うまく行っている人をSNSで常に見続けていることから、自分を無能だと思ってしまう。
あるあるすぎるが、得意な分野なら真似したら割と上手くできるのですぐに自尊心回復する。
得意な分野以外では「ほーん、この人凄いな(他人事)」やし。

7. 日本に住む多くの人が大事にする「丁寧な接客やきめ細かいサービス」は無料なので、GDPに直せば0。
これはたまに思う。
GDP無能説というより、一つの数値で判断すること自体が間違っている。
人間は考えるのがめんどくさいので、単純化、ラベル化したがるので仕方ないが・・・。

PS1がPS5まで進化しても、単価と購買者数が同じであればGDPにプラスにはならない。
コンビニスイーツが進化しても、単価と購買者数が同じであればGDPにプラスにはならない。
人間これ以上増えないみたいだし。

いやめっちゃ違うで???楽しいで???
PCとか進化しまくりでやりたいことがどんどんできるようになるし!!

8. 社会のルールが固定化されつつあり、多くの時間を寝そべっていてもある程度生活できるし、そんなに頑張る必要ないよね・・・となる。
硬直化してるなとは思う。
なんで知らん、ようわからん人のために働かないといけないの?とも思う。
働くのは嫌いではないが、仕事相手は選びたい。だから色々と試みてるけど。

娯楽だけで過ごしていても、何も難易度がなくて飽きて死にそう。暇が一番の大敵やわ・・・。

多くの人はそもそも働きたくなさそう。

9. 会社は、社会人において「人とのつながり」の多くを占める。ただ、転職や副業が当たり前になることによって、それが解体されやすくなる。
あるあるだと思う。
まあ・・・本音ばっかりで仕事で話していたら、割となが~い付き合いになってる人が多く感じる。なんでやろ。

誘われたら基本Yesなので、よーわからんでもOKする。
ちょっとくらい強制力がないと自分の知ってる範囲でしか生きられないし。

10. 付き合う場合は、自分に良さそうな人が無数にいるように見えるし、”もっと良い人”が見えてしまう。ヒトは社会的な動物なので、”もっと良い人”が見えるとどうしてもそっちに惹かれるらしい。本能のようだ。
これは当てはまらない。
マッチングアプリはそのものであって、使ったことはある。ただ、お顔などに興味ない(写真なしでも全然OK!!)し、誘われたらOKする。
基本何もしたくないので、自分から検索をかけに行くこともない。

結果的に、限られた範囲でしか行動しないようにしているので競争が生まれない・・・それでも十分満足してる。後悔もあるし、何なら引きずっている。クソゲーとは思わなかった。

結婚は結局お見合いだった。
お見合い1回目でほぼ当確していた。雑に言うと「コイツなんか違うな(ワイと近いな)」という直感に従った。
だいたい直感は合っていた。住んでいた場所、仕事、専門分野、環境、家族関係含め。
時代に逆行しているよなあ・・・。

11. それらが起こるのは、結局「お一人様、バラバラにした方がビジネスとして美味しいから」だろう。
これきついよなあ…。
転職サービスもそう、SNSもそう。バラバラにしてから、その人たちをつなぎ合わせればビジネスになる。
元々つながっていたはずのものをつなぎ合わせるために無駄なコストが増えていく。

例で言うと転職サービス。
社会を部分的にみると適材適所はありうるので良いサービスだと思うが、変なことにかける工数が増えるんだよな・・・。

転職者、退職者が増える

入社する人が増える

やべえ奴が紛れ込みやすくなる

やべえ奴を弾くための工数が増える

転職者が増え、転職させないようにする活動に時間が取られる
転職してもらえるようにする活動に時間が取られる

何においてもエージェントが儲かる

つらい。
マッチングアプリもそうやね。
勝者総どり。一部の人に人気が集まる。マッチを全くしない人も出てくる。
上を目指してしまうが、結局目的は果たせないまま・・・みたいな。

自由が必ずしもよいとは思わないし、だいぶ無理があるんちゃうかな。色々と。
以上。

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