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Rの個人研究・考察を行うブログ。最近は因果推論とアナリティクス(機械学習、統計はお休み中)、認知論にお熱。

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「仕事ができない」を分解する

投稿日:2020年4月19日 更新日:

「○○さんは仕事ができない」

よく言われる言葉ですよね。

今回この題材で書こうと思った理由は、
私の部下が「仕事ができない」部類に入っているように観測され、それを改善するにはどうすれば良いか考えたからです。

前提の確認

「仕事ができない」という言葉は非常にふんわりしていて未定義なことが多いかと思います。

例えば、「仕事ができない」は観測された事実(個人、集団)なのか、観測した人の感情なのかの違いがあります。
これは今回、特定の個人に対して、複数の観測者(上長)により観測された事実だとします。

一般的な分析方法

事実であった場合、そう評価した理由(本人の作業内容のいずれかにミスがあった、他のメンバーとのやり取りに問題があった、本人は問題がなかった他)は明確になっているのでしょうか。
切り分けられる問題であれば、その部位を間違えた理由から原因は見えます。
原因分析で有名な手法は、なぜなぜ分析です。

ただ、分析をする前に目的を定義しておかなければならないです。
よくありがちなのは(意識していないにしても)「今回だけどうにかできればいいから、始末書を書くためだけにできない理由を分析をする」です。
その目的であると、ミスはまた起こります。

再発防止策を、ダブルチェック、トリプルチェックをすればよいとかありがちですよね。
人間は判断をせず、楽をしたいバイアスを忘れているのでしょうか。
かつ、正常な判断ができる可能回数には上限があることもお忘れかもしれません。

推奨する分析方法

まず必要なの要素は5W1Hです。
仕事の目的に対して、例えば、誰がこの仕事をしているのか、将来的に誰がするのか。(仕事は変化するのか?)
あとは、前提知識です。
ありがちな対応策では、結果的に前提知識をカバーしていないことが多く、「そんな難しいことを、常に誰にでもできるの?」となりやすいです。

追加で考えるべきは、業務コストを高めないということです。
人間の認知・判断が正常にできる回数には限りがあって、かつ再現して起こるということは・・・判断回数を増やすとさらにミスが起こります
現状で判断ミスをしているのであれば、業務コスト(=判断回数)を減らすことが必須です。

「仕事ができない」を「仕事ができる」にするために、今対策をしている・・・ですよね?

解決できない場合

一般的には上記の対応ができます。ただ、解決できない問題もままあります。
例えば、KPI(重要評価指標)が自分の評価に関わっているのでKPIを上げたい。この施策はKPI自体は上がるものの、実は意味がないとわかっていることをする。など。

例えば、営業さんの顧客訪問数を増やすことですね。
売上を立てるために訪問をしているのは分かります。
ただ、見込み契約数を増やすために訪問していることが目的なのに、訪問しただけでは意味がありません。
(見込みがないお客さんにずっと訪問して時間を浪費するような)意味がない数だけを追い求めることになりがちです。

人は評価軸で動くことが多く、誰かに表面上は評価されるが、実際は仕事の邪魔にしかならないことをやりがちです。
物理的、心理的なバイアスがかかっていないかを注視する必要があります。

例えば、何をしても仕事ができない扱いされる上司になら、それ相応の態度を取るでしょう。
「あなたはできる」と信じてくれてサポートしてもらえる上司なら・・・どうでしょうか。

そういったニンゲンの見たくない面が「仕事ができない」には関わってきます。

最後に

「彼は仕事ができない」それは本当でしょうか?
彼の何をあなたは知っているのでしょうか?
本当にそうですか?

補足

この記事の題材となった彼は研修2か月目に入り、仕事への向き合い方が変わってきました。
彼の思っていること、置かれている状況を話す1on1。知識の不足はカバーすればいい。
彼の言葉を否定せずに受け止めて、考え方・行動変容を提案する。
先回りしてミスを防ぐ。

パワハラ・・・ではないと思いたい。

前職でも50代で定年間際の方々のリソース管理をさせていただいた経験があり、
彼らもしぶしぶやっていたところをミスなく楽しく仕事できるようになった(らしい:本人ら談)。雇用延長もされて今でも働かれているそうです。

お互い、少しでも楽しく働きたいですね。

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