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若者”疲れ”の原因

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人は誰でも、自分自身への誇りを、自分に課された仕事を果していくことで確実にしていく。だから、職を奪うということは、その人から、自尊心を育む可能性さえも奪うことになるのです
ー日本人へ リーダー篇(塩野七生)自尊心と職業の関係 より

若者たちは皆、何かを成し遂げたいのである。

ただ、それは高度経済成長期の画一的なもの、例えば仕事ではなく、個人に立脚したものに満足感を感じる。仕事でないものに彼らは誇りを見出し、日々生きている。それを否定しては彼らの生き方を否定することになる。

しかし現代は、若者の文化を、人間の尊厳を無視した過重で無意味な労働が実際に行われている。彼らは彼らの正しいことをしたい。ただ、できないのである。

それでいて昔のように共同体に所属することで得られるものもなく、さらには時間を、彼らの誇りを得る時間を奪い続けている。それがインターネットにより公になることで、今いる場所や今後進む進路、社会全体に対する不安が広まっているのではないだろうか。

日本企業は社員の献身、やる気、動機付け、熱意といったものを当然と考えている。そのため、これらの態度を積極的に推進するための方法を自ら開拓することがない。
-日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか? より

このように断じられるほど、企業側から当たり前のように押し付けられる”常識”に若者は押しつぶされている。
彼らの”常識”と企業の”常識”は驚くほど離れている。それを偏見と気付かずに、平気で押し付けるのだ。

常識とは、18歳までに身に付けた偏見のコレクションである。(A.アインシュタイン)

日本人は、何か一つの事柄に対し腰を据えて行うということが非常に得意である。例えば、高度なインフラ整備や、未だに世界のトップにある車の製造である。どこまで極められるのか、自分の力はどこまであるのか知りたいのだ。ただ、その特徴も社会への不安や反抗心があれば、腰を据えて仕事するどころか「敵はどこか」と探しながら、仲間との狭い”一つの関わり”の中に埋没していくだろう。

現在は情報過多時代だ。他者の微分した思いに触れる量が多い。
今まで知り得なかった整理されていない思いに。
そこで一喜一憂していくと、他者の存在を過度に意識するようになるのは明白だ。

不安だからこそ仲間内で固まる。人は誰しもその集団の雰囲気に飲まれていく。
それを断ち切るには別の環境に行く必要があるが、心地いいだけに難しい。
しかも、人は変化を求めていない事が多い。別の環境に行く手間より、今の環境を守ることに腐心しがちだ。
そうして疲れてしまうのだ。自らと彼らの違いに。

個人に立脚した希望に満足を得つつ、過度に他人を意識していく。
個人主義でありながら、全体主義も包括した様々な新しいメディアはそれを助長する。

もし、”疲れている”と感じるのであればその世界から一度離れてみてはいかがだろうか?
そして、自分に課された仕事は何か、それを探してみよう。

探し方?まずは新しいメディアの電源を切り、外に出て街を歩いてみよう。
何があなたの興味を引くだろうか?
何があなたにとって嫌だろうか?
何があなたにとって達成したいことだろうか?

今からでも遅くない。いつでも、今が一番若い。

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