2ちゃんねる(http://www.2ch.net/)は日本なら誰でも知っている匿名掲示板だ。
それをなぜ企業はマーケティングに「使わない」のか?
それとも「使えない」のか?
そもそも「使う気がない」のか?
あれだけの「ビッグデータ」をなぜ使わないのか不思議でならない。
2ちゃんねるとは
2ちゃんねるとは、「「ハッキング」から「今晩のおかず」までを手広くカバーする巨大掲示板群『2ちゃんねる』へようこそ!」とあるように、とても大きな範囲をカバーする掲示板だ。
私は10歳の頃からROM(Read Only Member=読むだけ)専だ。
特徴は「匿名」と「攻撃的」だろう。
2ちゃんねる上では、すべて匿名(コテハン=固定ハンドルネームは少々居るが)で肩書が無く、「大学教授」と「ニート」が触れ合う場所と同掲示板上でも揶揄されるようにさまざまな背景を持つ人々が集まっている。
そして、匿名ゆえの攻撃性が目立つ。
誰かに対する妬みや恨み節は当たり前だ。
現実社会で言うと人間性を疑われるが、2ちゃんねる上ではそこまで問題にならない。
日本人は思ったことを吐き出さず溜めこんでしまうことが多いが、それを2ちゃんねるは解消してるとも考えられる。
また、一般的な書き言葉と大きく異なる書き方が掲示板上では一般的に行われている。
句点や読点もなく、アスキーアート(AA)や「w」((笑)の短縮系、草とも呼ばれる)なども使われる。
例:「クッソワロタwwwwwwww」
一見すると意味不明であるが、独特の日本語(方言)であるとも言えるだろう。
なぜマーケティングに「使える」のか
そもそも購買力がある人間は大人しかいない。
そして、大人は本音を言わない。
だからこそ「マーケティング」が成り立つ。
全員が本音を言ってくれればマーケティングなど必要ない。
だが、国民性として「本音は言わない」ことは間違いない。
相手を慮るのが美徳だ。
しかも、「本音を言ったところで聞き入れられない」ことを彼らは知っている。
だからこそ、「本音」が露わになる2ちゃんねるはマーケティングとして使えるのではないだろうか?
膨大にある掲示板の各スレッド、レス毎に保存することは、今の技術を使えば簡単にできるだろう。
「ビッグデータ」は目の前に転がっていることをなぜ彼らは認めようとしないのか?
なぜマーケティングに「使わない」のか
そもそも、2ちゃんねる自体に批判的な人が多いのは周知のことだ。
犯罪に使われることもままある。
「アンダーグラウンド」から生まれた2ちゃんねる自体を軽蔑している人も多いだろう。
批判的であることは何も構わない。
だが、「2ちゃんねる」の構造や網羅している部分すら知らないことが多い。
人は批難しているものを検証せず、完全に悪いと思うことで自己肯定している部分が少なからずある。
前提の知識がなければ「使えない」ことは間違いないし、批判的であれば「使う気がない」ことがほとんどだろう。
そして、教科書に載っていないこと、「前例がないこと」に対し日本は厳しすぎる。
「グローバル」だ「イノベーション」など無駄な言葉を言うより、もっと足元を見た方が良いのではないだろうか。
そもそもイノベーションの考え方自体おかしいのだが。
イノベーション(innovation)とは、物事の「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)のこと。
一般には新しい技術の発明と誤解されているが、それだけでなく新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革を意味する。
イノベーション – Wikipediaより
1億も人が居る国は、世界を見てもほとんど存在しない。
恵まれた環境に居ることは間違いないのに、なぜそれを無碍にするのか?
まとめ
技術はすでに飽和している。
原子1つ1つを操作することすらできるようになっている。
「これを如何に使うか」が今後の課題だろう。
次の時代は「常識とは、十八歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう」(アインシュタイン)のように、常識は常識として認識し、その常識を懐疑的に捉えることがイノベーションに繋がるだろう。
チャンスはいくらでもある。それは間違いない。