Rの考え方

Rの個人研究・考察を行うブログ。最近は因果推論とアナリティクス(機械学習、統計はお休み中)、認知論にお熱。

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バイオ系地方国立大院卒のその後6年の軌跡と考察

投稿日:2020年8月23日 更新日:

バイオ系院卒の辛い就活の後、なぜ辛かったのか、何をすれば楽だったのか、その後をよく考えてみた。

三行まとめ

・振り返りをしよう
・使えるカードで戦うしかない
・周りを見てみると当たり前に見えることこそ差別要因

今どうしてんの

31歳になりました。
修士で25歳(留年1)で地方で就職(外資系製薬企業研究員)し、4年務めた。
東京へ転職(日系ベンチャーコンサル会社コンサルタント)して、そろそろ1年半である。
社会に出て6年経ったことになる。

現在のコンサル会社での仕事は1年半で課長クラスとなり、副業はバイオインフォマティクス系の企業のお手伝いをさせていただいている。
年収も700万近くになるのだろうか。
*お金に頓着していないので額の詳細はよく知らない
世間から見れば、割と成功しているのだろう。(そのつもりは全くないが統計的に見るとそうなる。事実と意見は別だ。)

なぜそうなったか

大きくは3点挙げられるだろう。
1. コミュニケーションがうまくいっている
これまで、人とのコミュニケーションの問題で軋轢やいざこざを生んだことはない。
これは、相手の方の努力も大いに感じている。いい人ばかりでありがたい。

2. 信頼感がある
基本的に良いことは良い、悪いことは悪いと自分で認めるようにしている。
ウソや正しくないことが嫌い等パフォーマンスが一定しているので、反応がわかりやすいからだと思われる。
適当なことを言っても信用されてしまう。※これは謎だが。もちろん、違和感がある話は調べ直して訂正する。

3. 専門知識、経験を身につけている
製薬企業では1年目からなぜか幹部候補として、リーダー経験を積ませてもらった。部下の平均年齢はなんと…50歳オーバーである。
そこで年齢に関係なく話し合い、信頼できるようになるスキルを身につけさせてもらった。※まだまだ足りないとは思っている。
あとは社会に出てからも勉強が面白い。特に転職してからの勉強が面白い。
元々興味があった行動経済学をはじめ、統計学や機械学習、情報科学、経営学を専門的に行うこともあって、勉強してもし足りない。これは製薬の分野では感じられなかったことだ。

これらの元になったスキルは、下記3点の心がけが大きいと思われる。
1. 芯を持つ
2. どこでも仕事のことを考える
3. 諦めが悪い
この心がけは、大学・大学院時代の学生や先生・社外講師の方々、製薬企業の優秀な方々から学んだことである。

製薬企業で特に優秀なメンバーは、大学院卒業直後の若手にも関わらず大学院の助教クラスでも就職が可能なレベル。
なのにわざわざと言っては何だが地方のいわゆるド田舎に勤務していた。
僕から見るととんでもない知識量と実験スキル、論理構成能力もあったし、何より人当たりがいい。
対して、当時の社長も御年70超えでその人たちを説き伏せてたし…。

何やこいつら・・・凄すぎやんけとは思ったが、できる範囲で真似をしていた。
そもそも出来ない人が、プライド持ってもしかたないやろと思い対応していた。

転機

上記の心がけやスキルに気付けたのは都市部に出てからである。

あれ?僕って意外と通用するんじゃないの?と思った。
ウェットなコミュニケーションとは何かを知っていて、ビジネスライクではない話ができる人は少ない。
適当ぶちかましてくる人が大企業の担当者でも多い。
そんなに社会人は勉強していない。ビジネスサイドで論文を読む人自体が希少。

意外と大学院卒って役に立つのでは?と思った。
同じ研究生や先生たちと目的をもって徹底的に話す(研究発表前は時間で言うならクレイジーな準備をしていた)し、適当なデータや資料で良しとするわけがない(まあ大分叱られた・呆れられた記憶がある)し、論文読めないでやんの( ̄m ̄〃)ぷぷっ(笑われる人でした)みたいな雰囲気だった。

もちろん、ビジネスサイドの知見も起業もどきみたいなことを何度かやっていたので、企業名がない状態でツテを作る難しさは知っていた。
今もしているが、難しいのなんの…。

なぜ、気づけなかったのか

地方だからという理由が圧倒的であろう。
僕自身、人口が少ない地方の学校にしかいなかったので、世間のトップを知らなかったし平均も知らなかった
比較対象がなかった。
凄い奴を体感する機会が少なかった。

どれだけ東京が便利で、地方が不便なのか知らなかった。
手に入る情報、知識、当たり前にいる大人。
どうやら地方に住んでいるだけで不幸であるそうだ。学生は幸福らしいが。(なぜあなたは不幸なのか 筒井義郎ほか(大阪大学社会経済研究所)

栃木に住んでいたときはまあこんなもんでいいでしょとは思っていたが、今はアクセスできる地域・情報量が100倍は違う
日本でどんな人が、どんなことを考えて生きているのかわからなかった。
今、少しは分かってきた気がする。

だからこそ言いたいことは、1回は都市部に住んで、仕事してみるとええでということです。
就活生に言いたいことは、とりあえず都市部に出て、人と会えということです。

バイオ院生辛くね?

辛い。
なんかノースキルに見えるし。

ただよく考えてみると、あなたたちバイオ系院生には価値がある。
花形の研究や開発職はもちろん、品質管理や品質保証などに合う。花形で戦わない戦略もあるんですヨ。

あとはデータ系人材にもスキルセットが合う。
生物系の研究から多くの統計手法が生まれたので、当たり前に統計手法を扱う。
結果、普通に統計処理をできる。強い。

え、当たり前やんと思ったらどうやらそうではないらしい。

バイオインフォマティクスならより専門性の高い系統樹解析(階層型クラスタリング)や独立性の検定の利用目的を分かっているし強い。

統計学や数学おじさんたちは、実際に何に使えるかよりも別のことに興味があることが多いので、目的に合わせて手法を選べるバイオ院生って希少なんやで・・・(トオイメ)。

かつ、AI作りたい人はいっぱいいるけど、あなたたちにしかできないことがある。
目的に沿って論文や文献を調査して、実施計画を作って、社内でディスカッションして・・・あれ?これって大学院でしたことあるよね。
大学だとそこまでしなくても卒業できるらしいけど、大学院でないと無理だよね。

だから、都市部に出て人に会ってほしい。今あなたが思っていることと、全然違うから。

僕は、大学院時代に自分のことを下記のように思っていた。
1. コミュ力低い

2. 論理的な思考があまりできない

3. 専門知識があやふや

1番のコミュ力は今あるかどうかわからない。永遠の課題。
2、3番は比べる相手が悪かった。
先生方に勝とうとしていた。その道のプロと比べているとは、自分では気づかなかった…。

そういう風に勘違いしやすいんだよね。
とはいえ、今、自分に自信があるかと言われると…少しずつあるようになってきたかな(笑)

ただまあ、地方にいると色々と勘違いしやすい。
生活スタイルもそう。

転職も当たり前だし、何なら今も転職を1つの手段として考えている。

今後について

全部が上手く仕事もないし・・・ゆったりとしてしまった日常に潜む危機感、無意味で退屈な日々への焦燥感を感じるのは後でいい。
危機感が足りない。

人に会って、会って、会いまくって、やっと見つけた機会が多くある。
今の仕事もそうだし、今の副業もそう。
何なら、人と会うことからしかチャンスは生まれないのかもしれない。

ただまあ、転職エージェントを使うのはまだいいかな・・・。
データサイエンス系案件での成功ノウハウはわかってきたけども・・・まだ足りない。

まだ新人教育方法を確立していないし、
複数業界での案件実績が少ないし、自主勉強できる時間がある企業ってそんなに多くないと思うし。
会社を使い倒して、かつ上手く行くシステムを残してから、転職しようと思ってます。

バックオフィスはとても有能で、アナリスト(コンサルタント)に雑務をさせることはないので凄いと思っている。ありがたい。
人数数名でこれだしとんでもねえ…。前職は酷かった気がする。

とまあ、いろいろつらつらと書き連ねてまいりました。

まとめ

なぜ辛かったのか、何をすれば楽だったのかの答えについては、

なぜ辛かったのかは、
自分の相対的な評価や価値が分からないからだろう。
お祈りされようが構わん!1社に断られただけ。

何をすれば楽だったのかは、
都市部に出て人に会ってほしいってことかなー。
あなたはあなたのことが思ったより見えない。目は前にしかついていない。

他人の評価=自分の評価の一部でしかないです。

こんな偉そうなことを書いていても、ハロワに行ったこともあるし、適当な就職もしようとしていました。
ただまあ・・・やりたいことを諦めきれなかったんですよね。

今は転職しようかなと思っている状況でございます。

それでは!

次の記事

そろそろ書きます(2021.11.18)

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  1. […] おいても、この業務経験が非常に役に立っています。 → バイオ系地方国立大院卒のその後6年の軌跡と考察 […]

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